終身保険:リタイアメント・インカムを払済保険へ

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2022年2月頃から徐々に円安になり、2022年7月20日現在では「US$1 = 138.14円~138.16円(参照:三菱UFJ銀行外国為替相場チャート)」を推移している為替レート。

数年前に、円高の時に加入したプルデンシャル生命保険の「米国建てリタイアメント・インカム(米国ドル建て年金支払型特殊養老保険)」を払済みにして、つくづく良かったなあと実感しています。

あのまま保険を払済みにせずに保険料の支払いを続けていたら、為替レートの変動を受けて、今頃は保険料の支払額が大きな負担になっていたと思います。

昔に調べた内容が役に立ったので、少しご紹介したいと思います。

米国ドル建て年金支払型特殊養老保険とは

私と夫が加入した保険商品は、プルデンシャル生命保険が提供する「リタイアメント・インカム(米国ドル建年金支払型特殊養老年金)」で、死亡保障と老後の資金づくりを米国ドルで同時に実現する保険商品です。

リタイアメント・インカムには以下の特長があります。

  • 万が一の場合の保証が得られ、老後の資金を準備できる
  • 保険料は米国ドルで払い込み、死亡・高度障害保険金及び年金等は米国ドルで支払う
  • 円での取扱いも可能(円に換算する特約を付加する必要あり)
  • ニーズに合わせて受取方法(確定年金、保証期間付終身年金)、保証期間付夫婦連生終身年金)を選べる

たしか、加入時の為替レートは「1ドル=76.72円~78.72円(参照:三菱UFJ銀行外国為替相場チャート)」でした。

「満期時に円安になってるといいね」なんて夫と言いながら加入しました。

この言葉が大きな負担になり始めたのが、2013年11月以降からでした。

為替レートが「1ドル=101.42円~103.42円(参照:三菱UFJ銀行外国為替相場チャート)」になったからです。

外貨建て養老保険なので、当たり前ですが保険料の支払い時に為替レートの影響を大きく受けます。

この頃から毎月支払額が変わることに、少しづつストレスを感じていました。

それでも為替は変動するので、「すぐにまた円高に戻るよね。そしたら大丈夫かな」。

なんて言いながら、しばらくそのままにしていました。

きっかけは甥っ子からのアドバイス

加入した当初は、老後の資金として満期まで保険料を支払うつもりでいました。

「これさえやっておけば老後は大丈夫!」。

そんな意味不明な自信から、保険商品の仕組みについてあまり詳しく調べていなかったと思います。

そんな時に甥っ子から、「プルデンシャル生命の外貨建てリタイアメント・インカムは絶対払済みにした方がいい!!」と言われました。

彼曰く「契約した期間の最後まで支払うよりも(満期日)、その手前で払済みにした方が投資効率が上がる」らしいのです。

私的には「???」だったのですが、電話で甥っ子が説明してくれた内容をネットで調べて、本当に「満期前に払済みした方が、投資効率が上がる」ということを確認できました。

今ではあの時に、甥っ子が何度も言ってくれたことに感謝しています。

でないと、為替変動を受けた高い保険料金を払って、返戻率が低い年金を受け取る結果となっていたでしょうから。

加入する前に自分で仕組みを理解していなかったのが良くないのですが、助言してくれる人がいるというのは、本当にありがたいことです。

払済保険への切り替え

保険料払い込み期間(投資期間)の最後の数年間は投資効果を薄めることになるため、保険を解約せずに、保障がそのまま満期時まで継続され、その後解約返戻金が戻ってくる「払済保険」への切り替えを検討することも良いと思います。

その理由は、満期前の数年間は保険料の運用期間が短いため、「支払ったものをそのまま返してもらう」といったイメージになるためです(下図のハイライト箇所)。

加入から5年以上経過していれば、払済保険の効果が大きくなります。

ドル建て保険を払済保険に切り替えるベストな経過年数は約10年前後といわれていますが、これはご自身の契約内容を確認した上で検討されるといいと思います。

ベストなタイミングの確認については、次で紹介します。

リタイアメント・インカムとインデックスファンドの比較

払済保険へ切り替えるタイミングとして、返戻率を計算して検討する方法があります。リタイアメント・インカムの保険料とインデックスファンドの積立額で比較してみたいと思います。

リタイヤメントインカムの場合

まずはリタイアメント・インカムの満期受取、4年払済み、10年払済みにした場合、解約返戻金の返戻率がどれくらい異なるかを、以下の条件で計算しました。

  • 契約年齢:30歳
  • 年金開始年齢:65歳
  • 月額保険料:US$346(US$1 =¥100と仮定:34,600円)

満期受取りの場合、35年間の保険金支払額は$346 x 12か月 x 35年で$145,320となります。満期保険金額は$197,833となっていますので、返戻率は約136%となります。

35年間で136%の返戻率と聞くと、「すごい!」と感じますが、35年で36%ということは、一年あたり1.2%ほど。「35年かけて」と考えると、低いなと思いました。。。

4年払済みの場合、4年間の保険金支払額は$346 x 12か月 x 4年で$16,608となります。満期保険金額は$23,640となっていますので、返戻率は約142%となります。

10年払済みの場合、10年間の保険金支払額は$346 x 12か月 x 10年で$41,520 (4,152,000円)となります。満期保険金額は$69,970 (6,997,000円)となっていますので、返戻率は約168.5%となります。

結果、満期まで保険料を払い込まず、10年後に払済みかつ満期まで運用した方が返戻率が高いこと分かりました。

インデックスファンドの場合

次に、毎月30,000円をインデックスファンド(年利5%)で10年間積立・運用し、その後積立なしで10年間運用した場合はどうなるかを、楽天証券の積立かんたシミュレーションを使って計算してみました。

  • 積立金額:月額30,000円 x 12か月= 360,000円
  • 運用期間:20年間(最初の10年間で積立・運用、その後10年間は積立なしの運用)

この条件で計算すると、10年後の運用総額は4,658,468円(運用益1,085,468円)となり、10年払済みリタイアメント・インカム(4,152,000円)と比較すると、506,468円の差がでました。

11年目からは積み立てをせずに、そのまま10年間運用した場合、運用総額は7,588,153円まで増える計算になります。

10年払済リタイアメント・インカムの35年後の満期時に支払われる返戻金は6,997,000円ですので、インデックスファンドの例で20年運用した運用総額と比較すると591,153円の差がでました。

これは計算上の話であり、年利については5%と推定して計算したものとなります。

インデックスファンドも上下するので、一概にこの通りの結果が出るとは言えません。

ですが、インデックスファンドは15年から20年以上といった長期間にわたる運用において、過去からの実績で上記のような計算が証明されています。

数値化すると分かりやすくなったこともあり、貯蓄型の終身保険とインデックスファンドを比較すると、貯蓄型の終身保険は資産運用には適していないように思われます。

貯蓄型終身保険の払済への切り替えについては、10年前後くらいで保険の返戻率を計算し、どのタイミングで切り替えるかを検討すると良いかもしれません。

まとめ

私はリタイアメント・インカムに加入してから10年後に払済保険に切り替えました。

今はリタイアメント・インカムに支払っていた金額で、インデックスファンド等の投資を行っています。

あの時にじっくりと貯蓄型の終身保険について調べて良かったと、つくづく思いました。

ここまで一気に円安が進むとは思っていなかったので、考え方をまとめてみようと思い記事にしました。

インデックスファンドがすべて良しという訳ではないですが、もっと投資商品について勉強し、自分で見極めることが大事だと改めて思いました。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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