Amazon Unlimitedで次に読む本を探していた時、「仕事は楽しいかね?(著者:デイル・ドーテン、翻訳:野津智子、出版社:きこ書房)」というタイトルが目に舞い込んできた。
「仕事が楽しいかって?楽しいといいけど。。。」
そう思いながら、この本のサンプルを読んでみました。
『出張帰りに大雪のため一昼夜空港のロビーに足止めされた「私」が主人公。
そこで出会ったある老人に、つい仕事での鬱積した感情をぶつけてしまう。
老人は実は、企業トップがアドバイスを欲しがるほどの高名な実業家で、その含蓄ある言葉に「私」は次第に仕事観を揺さぶられていく。。。』
これは、そんな出だしから始まる物語仕立てのビジネス啓発書です。
物語の冒頭を読んで、すぐに続きが読みたくなってしまい、購入しました。
本の構成が物語調なので、楽しくてすぐに読み終わりました。
読書後の感想を、綴っていきたいと思います。
目標設定は、良いもの?悪いもの?
私がこの本を読んで思ったこと、それは「目標に縛られない」ということです。
「こうなったら、いいな」とか「これをしたら、どうなるか」等、常に変化を持たせる柔軟性のある思考が重要なのかもと思いました。
作中で、老人は主人公の「私」に対して、以前に設定した「成功のための戦略(目標設定)」を書き出すように言います。
私も少し前まで、5年周期のざくっとした目標を立てていましたので、やっぱり目標設定はいい方向性なのかと思いました。
でも、この考え方に大きな修正を入れられてしまいました。
老人曰く、「目標を設定すると、人は自己管理ができているように思えるが、人生はそんなに甘くない」。
確かに。
自分が設定したように人生進むなら、こんなに苦労はしません。
たいてい、邪魔が入ったり、諦めるしかなかったり、方向修正するしかない、時には大きな救いがあった、なんて状況になります。
私の場合は特にそうでした。
それでも、目標設定はある意味「目安」になるので、本を読み終わった後でも、「大まかな」目標設定は良いことだと思います。
おそらく彼が言いたいことは、「その設定した目標に縛られて、他の可能性が潰されないようにする」ことだと思います。
作中では、偶然の産物が大ヒット商品になった例をいくつも紹介しています。
例えば、
- コカ・コーラの製品開発の話(ジョン・ペパートン)
- チョコシップ・クッキーが偶然生まれた話(トールハウス)
- リーバイス・ジーンズが作り出された話(リーバイ・ストラウス)
- Appleコンピュータの販売につながる話(スティーブ・ウォズニアック)、等々
多くの発明家や革新者は、その製品を作ろうと思って作ったのではなく、何かのきっかけで偶然にその製品を発明・生み出し、常に「異なる」ものを周りに見せている。
『こうしようと思っていたけど、これもいいな。』
『それなら、当初の予定とは違うが、ダメもとでこれも試してみよう。』
そんな柔軟な発想とフットワークの軽いマインドを持つことが、重要なのかもと思いました。
「明日は今日と違う自分になる」
そんな老人でも、一つだけ「目標」としていることがあるそうです。
それが、「明日は今日と違う自分になる」です。
最初は、「え?」って思いました。
少し意味がわからない。。。
いつも毎日違う自分になっているんじゃ?
だって、昨日から今日も生きているんだし。
これだけでも、「昨日とは違う今日の自分」になってない?
なんて思いましたが、きっとそういうことじゃないはず(笑)。
たぶん、これは、「毎日何か新しいこと、昨日とは異なる何かにチャレンジすること」だと思います。
朝決まった時間に起きて、同じ仕事をして、12時にはランチを取り、いつも通りの時間に仕事を終わらせ、寝る時間までゆっくり過ごし、決まった時間に就寝する。
そんなクロックワークのような生活を続けていると、「今日と違う自分に、明日なれるのだろうか」って素朴に疑問がわきました。
そんな意識の改革方法について、この本では物語を通して、主人公の「私」は老人から様々なレクチャーを受けます。
- これぐらいでいいや、っていう気持ちを持つことが必要
- 世の中は、きみの目標が達成されるまで、じーっと待っていたりしない
- 成功するというのはね、右に倣えしないっていうこと
- 成功のゲームをするためには、人は懸命に、より良くなろうと、常に違った自分を目指さなければならない
- たえず、試し続けていくこと、等々
上記は老人の主人公「私」への言葉をリストにしたものですが、本にはまだまだたくさん老人の名言がちりばめられています。
物事を「試すこと」という重要性を、老人と主人公「私」での会話の中で、いろんな事例を踏まえて説明されているところが、読んでいてとても興味深かったです。
「試してみることに失敗はない」
「ダメもとでやる」って話をよく聞きます。
私にも似た経験があって、これは、私がアメリカにいた時の話です。
とある米国会社の東京事務所の人事部に、「今L.A.に居ますので、御社のL.A.事務所で空きがありましたら、このレジメ(履歴書)を送っていただけないでしょうか」といったお願いメールを、ダメもとで送信したことがあります。
東京事務所の人事部の方が、お優しくもL.A.事務所のある部門長さんに直接私のレジメを送信してくださり、結果、その後面接を受け、内定を獲得しました。
今でも思います。
ダメもとでレジメを送って本当に良かったと...!
宝くじにしても、買わないと当たるかどうかわからない。
就活も、募集がかかっている職種に対してアプリケーションを出さないと次のステップには移れない。
何事も「試す」ことで達成されるものもあれば、達成されないものもある。
でも自分から行動しないと、何も変わらない。
なので、「試してみる」ということは、私は好きなことです。
それで失敗したら、次へ行けばいい。
この本は、「毎日いろんなことを試して、試行錯誤を繰り返しながら、あれこれ挑戦することの大切さ」を説明しています。
失敗は、やっぱり気持ちのいいものではないけど、次に続く何かしらの経験の土台になると思います。
私もいっぱい失敗を経験してきました。
その失敗のおかげで、失敗に対する経験値が上がり、この「ダメもとでやってみるかー!」っていうメンタルを手に入れられたような気がします(笑)。
だって、ダメもとですから。
ダメなら次の策を考えればいい(笑)。
まとめ
この本のタイトルである「仕事は楽しいかね?」の問いかけについて、本を読み終わった感想から、「私は仕事を、おおむね楽しんでいる」って答えられると思いました。
仕事なので、ずっと楽しいというわけではないです。
嫌なときもあれば、楽しく感じることもある。
時間を忘れて仕事する、なんてことはできませんが、集中して仕事をやり終えると達成感がとても心地よく感じます。
大なり小なりの変化やチャレンジを、仕事で行っているかと問われれば、答えは「No」になりますが。
わざと変化させようとしていない部分が、仕事の部分かもしれない。
でも、今の現状で満足しているけど、何か足りない、新しいことがしたい。
そう思う自分もいます。
私がここ数年感じていることは、「年を取ると新しいことへのチャレンジを躊躇してしまう」ことです。
変化することが怖い、っていう心理が働いているようです。
単に面倒くさい、ということもあります(笑)。
以前ほどフットワークも軽くなく、「いつも通りでいいや」と思ってしまいがちです。
でも、「常に何か新しいものを取り入れたい」という思いもあります。
こういった自己啓発本を読んで、小さなことが毎日一つチャレンジできるような、そんな自分になりたいと思いました。
ご参考になれば幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
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